2006 霊峰・御嶽山
2006年8月4-5日

金曜日、仕事が終わってシャワーだけを浴び、急ぎ車に乗り込む。これまた金曜日は激務で昼ごはんを食べる暇なく
会社の車で直帰という非常手段。急ぐ理由は唯一つ。20時までに名古屋インターに入っていればETC通勤割引が
適用され、中津川までは半額の1000円で行けれるからです。安いし、かつ、一刻も早くテントを張り寝たいし
20時はとても重みのある時間。ところが、思わぬ渋滞でインター直前で20:02。あまりにアホらしく、
そのままインターを通り過ぎ、猿投グリーンロード(300円)に入り国道419号線で旧小原村を通り岐阜県へ。
それから363号線を東に進み257号線を北に進み恵那市街・国道19号線へ。あとは真っ直ぐ北上するだけ。
途中、中津川のマックで適当に買い込み、ひたすら木曽路を北上。

御嶽山・田の原駐車場に着いたのは日付も変わる少し手前。標高2200m。気温は15度。
見上げれば満天の星空。16等星も見えるのでしょうか、星が無数。それこそ隙間無くあるのです。 天の川も見えます。
登山が苦手な人は、この星空を見るためだけに訪れても十分な価値はあります。

テントを設営して寝るのも楽しみの一つ。前々回は車で寝ましたのでウーマン号だと血の巡りも悪い。
テントを張り、ウレタンのアルミマットを敷き、アルミシートも敷き、シュラフに入り、さらにアルミシートを被せるのだけれど
それでもジワジワと冷気がやってくる。シュラフを二重に。今回の教訓です。

それと、ご来光を拝むバスツアーの人たちが夜中に起きだし、みなさん興奮状態。
星は見える田舎なのに、静かな夜ではありませんでした。

4:30頃、準備を始める。

左手に大きく崩れた崖崩れの痕が、長野県西部地震で流された大土石流の痕跡です。

雲一つない空。暑くなりそう

天気は快晴。気分は上々、と、言いたいのですが、朝、マック食べ、時間を置くことなく登り始めたので、大変に苦しい思いを。
おまけに、お盆の二泊三日の装備を詰め込み、リュックも激重。かなりスローモーな山登りでした。

目指す山頂は、眼の先にあるのに、背後の雲海が実に美しく、立ち止まっては後ろを振り向く繰り返し。

スローモーな山登り。やっと手前の王滝頂上(2936m)へ。
実は、向こうの最高峰・剣が峰に行く途中、
左手に噴気口があったのです。
火山に登っていると実感する瞬間。それが今回は消滅していました。

2003年に僕が写した写真には、硫黄のガスが出ています。
3000m地点での噴気活動は日本最高所と思われますが、
残念でなりません。

それでも御岳は活火山。
剣が峰の向こうに地獄谷があって、
そこでは噴気活動が見受けられます。
標高は、2700-2800m程度でしょうか。

2003年にはあった噴気口は写真左手の窪地に何箇所か。
火山の一生は、やがて冷えて死火山になると習いましたが、
こんな雄大な御嶽でも、ジワジワと年老いているのでしょう。

毎回思うのは、剣が峰にある山小屋が
チベットのラサにある仏教寺院のようで。
御嶽山は霊峰として信仰の対象。
各地の御嶽溝が一団となって参拝登山。白装束に【三州・足助 日出溝】
なんて書いてあるものだから、どこから来た人なのかすぐに分かります。
神仏混合で、日本の土着な自然崇拝も加わり、親しみをもてる反面、
要所要所にある宗教オブジェが比較的新しく
同一時期に同じ業者が作ったらしく、古さから来る霊験あらたかさが
全然ありませんでした。

もともと古い山岳崇拝なのに、
新しく整えるものだから色褪せると思うのです。

有名な「六根清浄・・・・」って聞きました。