年中行事・2006年 白水湖畔
地獄谷と野営の大白川

岐阜県白川村 大白川 白水湖

2006年7月15-16日

 mixi日記から転用
極めて長文◆ウーマン。地獄からの生還。
今年も来ました。
年中行事。岐阜県白川村の白水湖。
今回は、地図にある地獄谷という地名を、この目で確認するための探検。
谷底から熱水や硫化水素ガスが出ているのかを知りたかったのです。単独での探検のため、
途中からはヘルメットを被り、緊急用の酸素缶を携帯する、ちょっとワイルドで本格派。

【写真@】
今年は残雪が多いです。湖の向こうは岐阜県と石川県の境でもある霊峰・白山。
太陽の光線が届いたのも、昼過ぎまでのわずかな時間。

【写真A】
地獄谷に到着しました。かすかに硫黄の臭いがします。その昔、ここには野湯があり、
温泉を引いていた名残を発見。しかし、梅雨時の増水も手伝って、
温泉ではありませんでした。
それらしき硫黄の流れは、この近くに極わずかに認められました。
その白い堆積物に鼻を近づけたら、アララ、硫黄ではなく石灰のような香り。
でも、谷全体としてかすかに硫黄臭はするのですが。

【写真B】
大白川野営場。僕はテントを持参したので、場所代の800円のみ。天候が不順でしたが、
素晴らしいロケーション。次に来る時は、軽量のリクライニングチェアも持ってきて
昼寝もしてみたいです。

さて、地獄からの生還と名づけましたが、その地獄とは、地獄谷ではなく、
このあとで遭遇する豪雨なのです。

夕方の4時ごろから、バケツをひっくり返した雨が朝まで波状攻撃。
ゴアテックスのテントでも、
どこからか水が忍び込み、すでに乾いた衣類がなくなるほど。

恐ろしかったのは、テントを設営して昼寝をしたとき、少し体を崩しまして、
極初期の風邪の兆候を感じる。
体温の保持が至上命題。足には、関節用の保温サポーターを巻き頭寒足熱。
ワイン一瓶を空け、緊急用アルミシートをシュラフに撒きつける。
(ウィスキーは必需品と身をもって知る。極少量で体温を保てる。
豪雨に不用意に用を済ますためテント外に出るということは、
乾いた衣料を使い切るということ)


ここ白水湖には、極めて粗悪な県道が一本。粗悪ゆえ、冬季は完全に閉鎖。
夏季でも夜間は閉鎖。そして雨量が一定以上になれば閉鎖という条件も厳しい悪路。

頭の中には、明日は帰れないかも。この疑念が膨らむ一方。

もう一泊するなら、食料は残すべき。いやいや、乾いた衣料を使いきり、
風邪が肺炎になるかも。

翌朝、県道はゲートを閉鎖していると知る。おそらく今日は解除しないだろうとも言う。
しかし、もう一泊するとなると、完全に風邪をこじらすはず。
この時、雨は小康状態だったので、
自己責任だと言われながらも、下のゲートまで行き待機する。
(ゲートは上下一箇所づつあり、
なぜか上のゲートは開いていた。それに下のゲートで待機すれば、
上で解除を待つより小一時間は短縮できる)

下のゲートの向こうには、国道を自由に行き来する車を見て取れる。
幸、ここまで(13キロも)下山すると携帯も電波を拾い、
村役場と土木事務所に電話をした。
(ゲートは鍵がかかっている)

「上のゲートが開いていたので下りたら、
下のゲートが閉まって出られません。開けて下さい」と
言ったら、規定以上の雨量なのでダメですと。
「あのう、国道沿いのゲートまで来ているのですが」
「ダメです。雨量が規定以上なので・・・」・・・

「アナタの名前を教えなさい」と言おうか迷っていたら、
ちょうど、自由世界からゲートを開ける人が来るではないか!!!!!
「アナタ、土木事務所の方ですか」と聞いたら「出入り業者です」と。

おそらく、警報解除まで、半日か一日待つのかと諦めていた矢先の出入り業者。
15分ほどで自由世界に亡命できました。

と、久しぶりにスリリングな体験をしましたが、今年中にもう一度テントを持って野営します。

あ〜〜〜、帰れて助かりました!!!

それと、大白川野営場の管理人一家が極めて人の良い人ばかりなので、
皆さまも、雨の降らない週末に狙いを定めて一度伺ってみては如何でしょう。
今年の営業は8/31までです。

写真の左、コンクリートの土台と立ち上がる水蒸気。温泉の源泉装置です。これよりも奥にもう一台ありますが
僕が目指す地獄谷はさらに奥。地下から温泉を取り出すのではなく、谷底から自然湧出しているのかを
この目で確認したかったのです。そして、この写真の右には湖を望む湖畔の温泉があるのです。