文化的なキャンプ
岐阜県白川村 大白川野営場
2007年8/25-26

この上質な孤独は、毎年味わうべく僕の年中行事。
砂漠で水を求めるように、この大自然の中で誰にも干渉されない一時を、僕は渇望するのです。

道の駅で、新鮮野菜を沢山買いました。

コの字型のアルミの風除けというか、油飛び散り防止板みたいなものを買ってきたのですが、
これを七輪の上に被せることによりオーブンのようになり、焼き上がりもやはくなりました。

ここ、大白川野営場は、広大な敷地にリヤカーで好きなところにテントなどを運び野営する素敵すぎる場所。
まずは、着いて早々お昼の支度。
周辺は大自然そのもの。
それもそのはず、道はこれより先はない。奥に佇むは白山です。

毎年、一人で孤独を楽しむ大白川。
軽量リクライニングチェアに腰掛けて本を読む心地の
なんとまあ、贅沢なことでしょうか。
⇒mixi日記より転載です⇒




テントを持参すれば一人800円で泊れる。
白川郷近辺でどこかに泊ると考えれば格安の世界。
しかし、格安だけが魅力ではない。

ここ大白川野営場は、西日本最大のブナ林の中にあり、それは原生林。
手付かずの枝ぶりは自然の自由意志の現れです。

まずは車にて受付のログハウスへ。ここで荷物を降ろし、
車は300mほど離れた場所に駐車する。テクテク戻り、
荷物をリヤカーに載せ、
あとは気に入った場所に設営すれば良いシステム。

家を出たのが5:30頃。それから北区の24時間営業している
マックスバリューでお買い物を。
肉と、魚と、野菜ジュースと酒。 それからバケツ型の七輪と炭も買う。

ETCカードを二枚持っているので100キロ超なのに、
上手いことして全線半額適用。

それから道の駅にて野菜を購入。
どこに寄ることもなく、テントを設営。10:30。

持っていったガスコンロは、本来の役割を手放し、
炭の着火用にだけ用いる。
網に載せた炭に火が入ればバケツ型の七輪へ。

昼は、トウモロコシ二本と、鶏肉・海老と、他に野菜をいくつか焼く。
足すことの小さな笹寿司を二つ。
ガスコンロの風除け用に買ったコ字型のアルミの衝立を風除けに
使うことなく、七輪を覆いかぶせるようにして、
上に逃げる熱を輻射熱として簡易オーブンに。
少ない炭でしっかり焼けました。

それにしても、トウモロコシに醤油をかけるとき、
炭に落ちて焦げる匂いの何と香ばしいことか。
それから焼きあがる野菜には醤油をたらすのであった。

90分ほど昼寝して、山道を下り大白川野天風呂へ。

夕方、コーヒーを淹れ、それから最近行きつけの名古屋は
上前津の中国茶専門店で購入した旅行用の携帯茶器で、
「白毫東方美人」と「阿里山金萱茶」の二種を楽しむ。

七輪が楽しくて、早めの夕食を。毎度のことだが、
酒を沢山飲んでも酔わない。

夕食が終わっても六時前。外は明るい。

【文化的キャンプ】
前回もそうですが、ここ大白川野営場で泊るときには本を持参する。
軽量リクライニングチェアに腰を掛けて、
今回は、先日購入した【宮本輝全集】から、第一巻を。

すっかりのめり込んでしまい、夜も更ける。
昔、水曜スペシャルの探検隊がヘルメットに装着した
ライトみたいなのも持っていたので、頭に付けて本を読む。

20時前後にテントに入る。

広大な敷地内にあって、視界には他のテントは入らない。
そうやって皆さん、干渉を嫌い、ポツリポツリと設営する贅沢な環境。


夜になり、ようやくAMラジオは受信できるようになって、
NHKの情緒的な内容に聞き入りながら、眠りに付く。

満月に近く、星が殺されていましたが、夜中の3:30に目が覚め、
夜空を見上げると月は沈み天の川が。

それから浅い眠りで、夢を見続ける。一つだけ、
夢の中で凄い発見をして「凄い!こういうことか!!」と
歓喜の声を上げていたのですが、それが何なのかは全然思い出せない。

朝は7時に目が覚め、朝食と読書。

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僕は、昔から小説などは読まなかったので、その記憶は、
おそらく大学受験に向けての現代文のテストか、
どこかの赤本であるはず。

文化的な夏の休日の過ごし方として何年も続いているのは、
避暑地の別荘にての読書会。そんな有志が何人か集まり、
食事などは一緒に囲むのだが、それ以外の時間は、銘銘読書に耽る。
夜に、ワインやコーヒーなどを楽しみ、
今日、読んだ本について語り合う時間を設ける。

そんな一節を思い出した、ウーマンの文化的キャンプ。

歳をとったということでしょう。
このキャンプ場で、他の誰かも(一人でも複数でも)
日中は読書に耽るブナ林なら、夜のワインも美味しいのだろうと。

炭は煌々と燃える。

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帰る荷物をまとめ、リヤカーに積んでいる頃、
本日の泊り客がやってきた。関西弁の老夫婦と老犬。

ブナの巨木の、静まり返るこの環境が、本当に好きです。