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       テントを持参すれば一人800円で泊れる。 
 
      白川郷近辺でどこかに泊ると考えれば格安の世界。  
      しかし、格安だけが魅力ではない。 
 
       
      ここ大白川野営場は、西日本最大のブナ林の中にあり、それは原生林。 
      手付かずの枝ぶりは自然の自由意志の現れです。  
       
      まずは車にて受付のログハウスへ。ここで荷物を降ろし、 
      車は300mほど離れた場所に駐車する。テクテク戻り、 
      荷物をリヤカーに載せ、 
      あとは気に入った場所に設営すれば良いシステム。  
       
      家を出たのが5:30頃。それから北区の24時間営業している 
      マックスバリューでお買い物を。  
      肉と、魚と、野菜ジュースと酒。 それからバケツ型の七輪と炭も買う。  
       
      ETCカードを二枚持っているので100キロ超なのに、 
      上手いことして全線半額適用。  
       
      それから道の駅にて野菜を購入。  
      どこに寄ることもなく、テントを設営。10:30。  
       
      持っていったガスコンロは、本来の役割を手放し、 
      炭の着火用にだけ用いる。 
      網に載せた炭に火が入ればバケツ型の七輪へ。  
       
      昼は、トウモロコシ二本と、鶏肉・海老と、他に野菜をいくつか焼く。 
      足すことの小さな笹寿司を二つ。  
      ガスコンロの風除け用に買ったコ字型のアルミの衝立を風除けに 
      使うことなく、七輪を覆いかぶせるようにして、 
      上に逃げる熱を輻射熱として簡易オーブンに。 
      少ない炭でしっかり焼けました。  
       
      それにしても、トウモロコシに醤油をかけるとき、 
      炭に落ちて焦げる匂いの何と香ばしいことか。 
      それから焼きあがる野菜には醤油をたらすのであった。  
       
      90分ほど昼寝して、山道を下り大白川野天風呂へ。 
 
       
      夕方、コーヒーを淹れ、それから最近行きつけの名古屋は 
      上前津の中国茶専門店で購入した旅行用の携帯茶器で、 
      「白毫東方美人」と「阿里山金萱茶」の二種を楽しむ。  
       
      七輪が楽しくて、早めの夕食を。毎度のことだが、 
      酒を沢山飲んでも酔わない。  
       
      夕食が終わっても六時前。外は明るい。 
 
       
      【文化的キャンプ】 
 
      前回もそうですが、ここ大白川野営場で泊るときには本を持参する。 
      軽量リクライニングチェアに腰を掛けて、 
      今回は、先日購入した【宮本輝全集】から、第一巻を。  
       
      すっかりのめり込んでしまい、夜も更ける。 
 
      昔、水曜スペシャルの探検隊がヘルメットに装着した 
      ライトみたいなのも持っていたので、頭に付けて本を読む。  
       
      20時前後にテントに入る。 
 
       
      広大な敷地内にあって、視界には他のテントは入らない。 
      そうやって皆さん、干渉を嫌い、ポツリポツリと設営する贅沢な環境。  
       
       
      夜になり、ようやくAMラジオは受信できるようになって、 
      NHKの情緒的な内容に聞き入りながら、眠りに付く。  
       
      満月に近く、星が殺されていましたが、夜中の3:30に目が覚め、 
      夜空を見上げると月は沈み天の川が。  
       
      それから浅い眠りで、夢を見続ける。一つだけ、 
      夢の中で凄い発見をして「凄い!こういうことか!!」と 
      歓喜の声を上げていたのですが、それが何なのかは全然思い出せない。  
       
      朝は7時に目が覚め、朝食と読書。  
       
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      僕は、昔から小説などは読まなかったので、その記憶は、 
      おそらく大学受験に向けての現代文のテストか、 
      どこかの赤本であるはず。  
       
      文化的な夏の休日の過ごし方として何年も続いているのは、 
      避暑地の別荘にての読書会。そんな有志が何人か集まり、 
      食事などは一緒に囲むのだが、それ以外の時間は、銘銘読書に耽る。  
      夜に、ワインやコーヒーなどを楽しみ、 
      今日、読んだ本について語り合う時間を設ける。  
       
      そんな一節を思い出した、ウーマンの文化的キャンプ。 
 
       
      歳をとったということでしょう。  
      このキャンプ場で、他の誰かも(一人でも複数でも) 
 
      日中は読書に耽るブナ林なら、夜のワインも美味しいのだろうと。  
       
      炭は煌々と燃える。 
 
       
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      帰る荷物をまとめ、リヤカーに積んでいる頃、 
      本日の泊り客がやってきた。関西弁の老夫婦と老犬。  
       
      ブナの巨木の、静まり返るこの環境が、本当に好きです。 
       
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