日本のチロル
究極の斜面集落・下栗の里が最も映える頃

2007年 5/20
長野県飯田市、旧・上村


毎年、訪れる下栗の里。三月に訪れたときは、新芽も出ず荒涼としていましたが、5/20の晴れの日曜、
これほどまでに美しい景色に出会えるとは、夢にも思いませんでした。


そもそも、この場所に訪れた目的は、鳥の声をデジタル録音機に収録するため。
車の音が入らない世界を求めたら、こんな天国のような光景に。
ところが、上空は空路のようで、こればっかりは逃げることも無理。
この間、シートを倒して車内で昼寝。本当は、下栗の里から「しらびそ高原」へ通じる、南アルプス林道を走りたかったのですが、崩落のためゲートが封鎖。
そんな立て看板は、そのゲートに着て最初の一枚。皆さん唖然呆然としていました。
五月の爽やかな風に吹かれながら、ただノンビリとこの光景を眺める心地は、何に例えられましょう。
こんな思いを日帰りで味わえるのですから、名古屋の地の利にも感謝するべきでしょう。


究極の斜面集落である下栗の里は、日本のチロルとも称されます。
平野では初夏の陽気でも、ここでは最も美しい春の風情。
ただ、極めて高度なドライブテクニックを要する
悪路であることは忘れてはなりません。
究極の斜面集落。
長野県南部には、斜面集落が点在していますが、ここに極めりな感の下栗の里。
下栗の里とは、いくつか点在している斜面集落の総称です。もはや農地も水平ではない。僅かばかりの平らな土地は敷地のみ、という世界。

よく見てください。よくよくよく、見てください。
家が点在しています。
畑の角度を見てください。
農業は、平らな土地でするものという、固定観念が否定される集落です。

平家の落人ではないようです。
考えられる理由は一つ。
日当たりを求めて。

左右にそれぞれ斜面集落が存在します。
下栗の里以外にも、長野県南部には、このような斜面集落が点在し、独特な景観を見ることかできます。

斜面集落の参考になさって下さい
2006年下栗の里
2007年中井侍と下栗の里