【左】標高が高いだけあって、まもなく刈り取りです。 【中】とにかくカーブの連続 【右】橋の向こうは静岡県

いよいよ富山村です。この村は隔絶した土地にあり、
唯一の外界への窓口にもなっているJR大嵐駅は上の写真の橋の向こうです。
彼らは静岡に出ないと豊橋に行けないのです。
そして面白い事に大嵐駅も富山村の玄関口としての性格があり、
地図の上では静岡県水窪町なのに「ようこそ、とみやまむらへ」とか村を案内する看板がありました。
ちなみに水窪側も辺鄙で駅前には民家が二件だけ。
富山村は佐久間ダムのダム湖を挟んで対岸に
静岡県水窪町があります。
こちらもまた辺鄙で凄い写真が取れました。(上)
実は写真の手前にダム湖があるのですが、
そのせり出した急峻な斜面の、
そりもかなり高度が高い所に平家の落人かと思われる、
いやいや焼畑の名残なのか、
とても人の出入りが無理そうな所に、
つまり平坦な土地がないような所に、
へばり付いて開墾している小集落を
2〜3発見したことです。
壮絶なものを覚えるのですが・・・・


さて、富山村が辺鄙になったのには訳があるのです。もともとは天竜側沿いに集落と交易路があったのですが
佐久間ダムの完成と共に水没。2/3以上の住民が離村して、人口が激減。
残った集落(上の写真)に通じる道もダム完成と共に山腹に無理やり作った道。
よって道中に集落が存在しないのです。北からでも南からでも2〜30`は全くの無人地帯。これには恐怖さえ覚えました。

とにかく走っても走っても、人という生き物に出会わない。

ここでまた面白い見方。川は大体において河口部が発展し中流・上流域に行くに従い、
人口密度も少なくなる法則みたいなのがありますよね。
まぁ、石狩川のように中流で発展している所もありますが、やはり一番人口が疎なる地域は上流です。
ところが佐久間ダムを作り出している天竜川は河口部に55万都市浜松。
中流域の伊奈平には中小の都市郡と大規模な水田。最上流部の諏訪湖も、これまた人口の多い地域です。
つまり、天竜川を見ると、河口から遠くない地域に、最も辺鄙な所があるのです。
まるで、これより先に人は住んでいないように思えてしまうほどの辺鄙さ。
しかし、それは勝手な思い込みで、さらに先には、ここの人達がうらやむほどの平坦な土地が広がっているのです。

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